心温まった花火
ある日の19時すぎ。
いつも通りに、夜ご飯を食べようと準備をしていたら、ドーン、ドンと大きな音が聞こえてきました。
何事!?と思ってびっくりしたのですが、よくよく聞いてみたら「これはもしかして花火の音…?」
家族に声をかけ、「こんな時期に花火?まだ早くない?」などと会話しながらベランダに行きました。
外に出ると、やっぱり花火の音が。
花火見られるなんて!とテンションが上がったのを覚えています。
探しているとついに、大きくて美しい花火を発見。
思わず「おー!きれい!」という声が漏れました。
隠れてしまって見えないところもありましたが、とても綺麗な花火を見ることができました。
私の住んでいる地域では、毎年花火大会が行われていたので、家から花火が見えることや、花火を見ること自体はそんなに珍しいことではありません。
ですが、コロナの影響で花火大会が中止になっていたこと、思いがけずこんな時期に花火が見られたことで、いつもに増して感動しました。
そんな花火に見入っていると、近くから「花火上がってる!」「綺麗!」という声が聞こえてきました。
近所に住んでいる多くの方が、外に出てきて花火を見ていたのです。
みんなが喜んでいて、嬉しそうな声をあげる姿に、とてもほっこりしたと同時に、花火を上げてくださっている方への感謝の気持ちが込み上げてきました。
私たちが忘れがちな、でも決して忘れてはいけない「当たり前のように幸せな毎日が送れていることへの感謝」を改めて思い出させてくれたように思いました。
そんな日常の心あたたまる出来事でした。
山口仁子梨